ひとくち健康講座
緩和ケアとは
2024年2月
WHO(世界保健機関)は緩和ケアの定義を「生命を脅かす病に関連する問題に直面している患者とその家族のQOL(生活の質)を、痛みやその他の身体的・心理社会的・スピリチュアルな問題を早期に見出し的確に評価を行い対応することで、苦痛を予防し和らげることを通して向上させるアプローチである」としています。「生命を脅かす病」とは、がんだけではなく、心疾患や脳疾患、腎疾患、難病など多くの病気を含みます。また、「身体的・心理社会的・スピリチュアルな問題」とあるように、痛みだけでなく、例えばがん患者さんであればがんと診断された時の精神的なショックや抗がん剤治療の副作用なども緩和ケアの対象になります。さらに、「患者とその家族のQOLを向上させる」とあるように、患者さんのみならず家族も自分らしく生きることをサポートするのが緩和ケアの目的です。