ひとくち健康講座
潰瘍性大腸炎のお話
2022年1月
潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜に慢性的な炎症が生じ、びらんや潰瘍といった病変が形成される病気です。腹痛、下痢、血便などの症状が現れ、重症の場合は発熱、体重減少、貧血など全身にさまざまな症状が引き起こされます。発症頻度は10万人に100人程度で、男女差はなく、20歳代あたりの比較的若い世代から高齢者まで幅広い年代で発症する可能性があるのも特徴の一つです。潰瘍性大腸炎の明確な発症メカニズムは、現在のところ解明されていません。
潰瘍性大腸炎の治療の主体は、大腸の炎症を鎮めたり過剰な免疫の働きを抑制したりする薬による薬物療法ですが、薬物療法で十分な効果が得られない場合などは、大腸を全て摘出する手術を行うことも少なくありません。
また、発症して7〜8年ほど経過すると大腸がんを併発するケースもあります。潰瘍性大腸炎と診断された場合は、症状が良くなっても適切な治療と検査を続けていくことが大切です。