ひとくち健康講座

適応障害について

2022年2月

 今回は、適応障害についてのお話です。職場における就職や昇進・異動、学校での進学や進級、家庭での引っ越しなど生活上の変化が起きた後に、なじめない、折り合いがつかない状態が続くと、次第に心身や行動の変化が起こってきます。気持ちが落ち込む、やる気がなくなる、不安になる、涙が出る、外出したくない、さらに頭痛や動悸、息苦しさ、吐き気などの体の症状も出てきます。これが適応障害で、誰にでも起こりうるものですが、3ヵ月以内に落ち着きます。
 ストレス者から離れると楽になることが特徴なので、苦手な上司が原因であれば休日には元気になり、異動して上司から離れれば回復します。問題なのはストレスが明らかでも離れられない場合でしょうか。対処法として、自分の考え方を変えてみる、折り合う方法を工夫することは自分の成長につながる機会にもなります。
 多くの場合、自然に楽になりますが、長く続くうち、さらに気持ちが落ち込み、不眠の症状が出る場合には専門医の受診をお勧めします。

東谷心療内科  東谷 慶昭