ひとくち健康講座

少年のスポーツ活動時の橈骨遠位端骨折について

2017年7月

 橈骨遠位端骨折は手関節の橈骨に起こる骨折です。転倒時に手をつくことによって起こることが多く骨粗しょう症を要因とした中高年に多いことが知られていますが、少年も受傷します。最近3年間に当院で診断された橈骨遠位端骨折は300例以上ありましたが、18歳未満が23%を占めました。14%に手術治療を行い、86%にギブスなどを用いた保存治療を行いました。
 少年の骨折は若木骨折と呼ばれる不完全骨折も多く大半が保存治療可能です。部活動や体育などのスポーツ活動中の転倒や接触による受傷が63%と半数以上で、転倒後などに手関節周囲の疼痛や腫脹がある場合は疑うべき骨折の一つです。
 スポーツ時の転倒や接触プレーを避けることは困難ですが、骨折した場合は通常のプレーが長期間できなくなりますので注意が必要です。けがや骨折を予防するために活動前後の体操などを十分に行い、安全に活動していただければと思います。

吉岡病院  遠藤 誠一