ひとくち健康講座

不眠症の話

2015年7月

 ストレス社会の最中、成人の3割以上に入眠困難、中途・早朝覚醒、熟睡障害のいずれかの症状があり、約1割が不眠症であるとの報告があります。不眠症が仕事の能率低下やミスを招く原因になったり、糖尿病、高血圧などの生活習慣病のリスクが1.5〜2倍になったりするといわれています。社会的に見ても生産性の低下や健康への影響など損失が大きいため問題視されています。
 治療は薬物療法が中心ですが、睡眠ガイドラインでは睡眠衛生指導を早朝に行うことが勧められています。睡眠を正しく理解し、不眠の原因を取り除くよう生活改善することが目的です。具体的には?運動をする(入眠しやすく熟睡できる)?空腹のまま寝ない(目が覚める)?寝る前にカフェイン摂取や喫煙をしない(目が覚める)?寝酒をしない(浅眠になる)?寝る前に水分を摂り過ぎない(トイレで目が覚める)?寝室環境の見直し(室温、音、光対策)?寝床で考えすぎない(入眠しにくく浅眠になる)−などがあげられています。最近眠れないと感じる方は、?から?に該当しないか見直してみると良いでしょう。

秋野病院  飛澤 哲也