ひとくち健康講座

慢性閉塞性肺疾患(COPD)のお話

2015年4月

 慢性閉塞性肺疾患(COPD)にかかるのは、約90%がタバコを吸っている方で、そのうち約15%に発症します。まず長引く咳・痰、息切れの症状がでます。全国で約530万人の患者がいると推定されていますが、約34万人ほどしか治療を受けておりません。高齢の方は年のせい、風邪程度に思い込んでしまう場合が多いようです。進行する病気で、気管支炎・肺炎などを起こしやすく、これをきっかけに呼吸機能が悪化し、最終的に酸素を続けて吸うようになり、人工呼吸器が必要になってくる場合があります。合併症として、筋力の低下、骨粗しょう症、糖尿病、心不全、肺がん、うつ病などがあり、高齢者の場合入院や死亡の可能性が高くなります。
 治療としてはまず禁煙ですが、呼吸トレーニングや気管支拡張剤、吸入ステロイド剤などがあり、早期に治療を受ければ進行を遅らせることができます。中・高年の方で、気になる症状があれば、早めに受診するように心掛けましょう。

天童温泉篠田病院  宮津 清