ひとくち健康講座

糖尿病の新しい薬のはなし

2012年8月

 この2年間に、二つの糖尿病の新薬が出ました。いずれも、すい臓に働きかけるインクレチンという消化管ホルモンに関連する薬です。インクレチンは、血糖が高いときだけ働きます。すい臓から血糖を下げるインスリンが出るのを助け、血糖を上げるグルカゴンが出るのを抑える作用を持っています。
 一つ目の薬は、DPP・4阻害剤といって、インクレチンの働きを強めて血糖値を下げます。この薬たけでは血糖をさげ過ぎない(低血糖を起こさない)「太りにくい」という特徴があります。
 2つ目の薬は、インクレチンの一つであるGLP−1というホルモンです。これは注射剤ですが、インスリンと違い低血糖を起こさない、食欲を抑え、「痩せる」という特徴を持っています。特にまだ治療を受けておらず血糖が高い方や、インスリンをやめようとする方に有効です。
 主治医と一度相談されてはいかがでしょうか。

さいとう内科胃腸科クリニック  齊藤 公人