ひとくち健康講座

泌尿器科の話

2010年1月

        <過活動膀胱について>
 過活動膀胱は、平成14年ごろから広く使われるようになった新しい膀胱の病気です。急におしっこがしたくなり漏れそうになる「尿意切迫感」、おしっこをする回数が多い「頻尿」、トイレに行くまで、我慢できずにおしっこが漏れてしまう「切迫性尿失禁」といった症状のものを過活動膀胱といいます。過活動膀胱は、排尿のしくみのどこかにトラブルが生じて、尿をためるときに、膀胱が勝手に縮みやすくなっている状態です。加齢による膀胱機能の変化、脳出血や脳梗塞、神経の病気、前立腺肥大症などで膀胱が過敏になって起きるものです。
 過活動膀胱は、命にかかわるような病気ではありませんが、いつもトイレのことが気になり日常生活にも支障が出てしまいます。しかし、過活動膀胱は投薬などの適切な治療によって改善できる病気です。恥ずかしがらず、あきらめずに受診することをお勧めします。

平野クリニック  平野 和彦