ひとくち健康講座

最近の疼痛治療について

2008年2月

 病気や手術、出産に伴う「痛み」については、長らく「必要な痛み」として認知され、患者さん自身も訴えにくく、医師も治療の対象としてこなかった経緯があります。しかし最近では、疼痛緩和薬の種類も増え、技術的にも透視下や超音波ガイド下の神経ブロック・脊髄神経刺激装置などの高度な手技が著しい発展を見せており、「痛みは我慢する」という認識は徐々に過去のものとなりつつあります。
 痛みの有無は比較的はっきりと分かりますが、その発生過程には運動器系の要因から心因性、そして悪性疾患によるものまでさまざまな病因が考えられます。もちろん疼痛を引き起こす原因疾患の治療は大切です。しかし並行して適切な機序を踏まえた鎮痛治療が行われないと、痛みは改善されず、逆に悪化する場合もあります。
 長年痛みに悩んでいる方は、一度、疼痛緩和治療に心得のある医師の診察を受けましょう。

三條外科胃腸科医院  三條 篤史