ひとくち健康講座

機能性胃腸症の話<規則正しい食生活を>

2008年1月

 みなさんの中には、胃もたれや胸焼け、胃の痛み、腹満感などの症状を経験したことがある方が多いと思います。このような症状は、潰瘍や癌などの器質的疾患でも生じることがありますが、器質的疾患を伴わないものを機能性胃腸症といいます。機能性胃腸症は日本人成人の四人に一人は症状を感じているといわれ、生活の質を損ねるなど現在とても注目されています。
 消化管運動機能異常や内臓知覚過敏が主な原因といわれていますが、心理社会的ストレスの関与も無視できません。診断は問診に加え、胃カメラや血液検査で異常がないことなどから機能性胃腸症と判断されます。治療は、まず患者さんが症状を受け入れて安心することです。薬物治療は症状に合わせ、消化管運動改善薬や酸分泌抑制薬、抗不安薬などを中心に行うことになります。この病気の予防には、規則正しい食生活やストレスをためないことが大切です。

天童温泉篠田病院  山中 祥弘