ひとくち健康講座

中耳炎に注意

2004年1月

 冬になり、風邪をひく人が増えてきました。そして、小児の中耳炎も増えてきたようです。中耳炎は、水泳などで水が外から入って起きるのではありません。小児の場合、風邪のウイルスや細菌が、耳と鼻をつなぐ耳管を通じて中耳に達しやすいため、急性中耳炎が多いのです。耳痛や発熱、耳漏(じろう)などの症状がでます。しかし、軽症の場合は痛みが軽く、熱や耳漏もなく、また難聴も軽いため気付かれないこともあるようです。また、鼻やのどの調子が悪いと耳管から中耳に空気が通りにくく、中耳に滲出(しんしゅつ)液が貯留(ちょりゅう)し、滲出性中耳炎が長く続くこともあります。山から車で下りてくるときに感じる「耳がつまって聞こえが悪い症状」が、さらにひどくなった状態です。自然に治ることもありますが、長く続くと骨を破壊して広がる、真珠腫性中耳炎などに進行することもあります。鼻の弱い子や風邪の頻度が高い子は、特に要注意です。

武田耳鼻咽喉科   武田 一彦