ひとくち健康講座

頸動脈エコーのすすめ

2003年8月

 近年、食生活の欧米化などによって、糖尿病患者が急増しており、それに伴って、心筋梗塞や脳梗塞などが増加してきています。<br> 脳梗塞の原因の一つに、脳血栓症が挙げられます。脳血栓症は、主に「経食道エコー」検査などで心臓内や大動脈内に小さな血栓(血の固まり)などが認められる人が、予防的治療の対象になります。特に、糖尿病と心房細動を合併した患者さんは、注意が必要です。<br> また、脳梗塞の原因のもう一つに、動脈硬化があります。動脈硬化の状態を診断するには、脈波などの検査も有効ですが、特に、脳梗塞の危険性を判断するには、「頸動脈エコー」検査が欠かせません。現在は、0.1ミリ単位で動脈壁の厚さが評価できます。検査をすると、頸動脈が厚くなっているだけでなく、中には、不規則な潰瘍性病変が認められる場合もあります。心配な方は、循環器医師にお気軽にご相談ください。

天童市民病院  遠藤 太紀雄