ひとくち健康講座

珍しくない飛蚊症
2001年2月
眼球の中身は、本来無色透明な卵の白身のような液体で満たされています。しかし、ここに濁りが生じると、あたかも目の前に蚊が飛び交うような症状を来すことがしばしばあります。飛蚊症には、加齢に伴う生理的な変化で治療の必要がないものもありますが、中には網膜剥離や眼底出血のように、放置すれば重篇な視力障害を来すものも少なくありません。<br> 網膜剥離は、頭部あるいは眼部の打撲の後や特に高度近視の方に、眼底出血は、糖尿病や高血圧などの墓礎疾患を持つ方に多く見られます。これらは軽症例を除き、入院、手術を要する厄介な病気です。飛蚊症には、治療の必要性の有無にかかわらず、自然に治るものと治らないものがあります。目薬などで治るものではありません。大切なことは、飛蚊症が目の中に濁りを作る病気の初期症状であり、放置してよいものかどうかを、必ず専門医に相談することをお勧めします。