ひとくち健康講座

高齢者の歩行障害
2000年5月
高齢者の歩行障害の原因としては、変形性膝関節症、股関節症などの関節疾患が主なものでした。しかし、近年は腰痛や坐骨神経痛によるものが増加しています。これらの原因としては腰椎椎間板変形症、変形性脊椎症、脊椎すべり症などが挙げられますが、近年の高齢化が進むにつれて、「腰部脊柱管狭窄症」の患者さんが増加傾向にあります。これは上記の腰の疾患が進行し、あるいは重なり合って腰部の脊柱管という脊髄を入れておく管が狭くなり、神経を圧迫することにより、腰痛や坐骨神経痛、下肢のシビレをきたすものです。<br> この疾患の特徴は「間歇跛行」といって、休み休み歩くようになり、座って休むと良くなることです。これは、脚がもつれ転倒しやすくなり、骨折や寝たきりの原因になります。男の方が、女の方の3倍多いといわています。<br> お心当たりの方は専門医をお訪ねください。