ひとくち健康講座

糖尿病について

1999年9月

糖尿病の患者数は、境界型糖尿病を含めると、40歳以上の方の約1割といわれています。天童市の場合は、推定で約3200人です。その多くの方は自覚症状がないため診察を受けておらず、受診率は約3割といわれています。血糖値が少々高くても、すぐに死に至ることはありません。しかし、高血糖が続くと合併症が出てきます。網膜症による失明、腎症による尿毒症、神経障害によるしびれやインポテンツ、狭心症、心筋梗塞(こうそく)、脳卒中、壊疽(えそ)などがあり、これらは5年、10年といった長い経過で現れてきます。
合併症を防ぐには、早期からの血糖コントロールが重要です。すでに合併症がある方も、良好なコントロールにより進行を抑えたり、改善したりすることが可能です。最近の大規模調査によると、合併症の発生を半分以下にするには、グリコヘモグロビンA1c(コントロール指標)を7.0㌫以下にすること、また、6.5㌫以下にすればほぼ発症しないことが分かってきました。

さいとう内科胃腸科クリニック  齊藤 公人