ひとくち健康講座

乳がんは予防可能
1999年7月
わが国のがん死亡は、27万人を超え、死亡者の3人に1人は「がん」であります。いまや「がん」は完全に予防の時代に突入したと思われます。特に乳がんは、近年、生活様式の欧米化に伴い、20代、30代の若い女性を中心に急増し、その死亡者は推定8000人で、子宮がんの5000人、卵巣がんの4000人をはるかに上回り、深刻な問題となってきています。乳がんに対する危険因子に関しては、エストロゲンというホルモンが関係し、初産年齢の高い人、初潮の早い人、<br>閉経の遅い人などは、エストロゲンにさらされる時間が長く、リスクもアップします。また、婚姻状態(未婚)、肥満(指数1.2以上)、良性乳腺疾患(乳腺症など)の既往、さらに、乳がんの家族歴(遺伝)なども大きく影響します。幸いに乳房専用X線撮影(マンモグラフィー)と超音波検査などで、以前より早期発見が可能となり、治療上完治する確率は非常に高くなってきました。従って、今後、早期発見治療への、積極的に参加する姿勢が望まれます。