ひとくち健康講座

耐性と逆耐性
1999年2月
挫折体験を繰り返していると、慣れとは反対に逆耐性が生じてきて、辛いことに対する感受性を高めてしまうことがあります。個人差も大きいといわれていますが、ストレスに対する負け癖とか逃避癖というような形で現れてくるものです。「なぜこの程度の辛さを乗り越えられないのだろう」などと思われがちですが、悩んでいる本人は「だれも分かってくれない」ということになります。まだ十分に解明されてはいませんが、ストレス刺激の反復がドーパミン過剰放出の反復を来し、また、セロトニンも関係して感受性を高めると説明されています。人から見ればそれほどでもなさそうな辛さが、本人にしてみれば耐えられないほどに感じるのです。<br> このような逆耐性を治していくには、「辛い、悲しい」などの感情表現も大事ですが、感情表現だけで克服できるものではないでしょう。辛さを乗り越え、挫折体験ではなく、小さくても成功体験を積み重ねていくことが大事なことです。小さなストレスでも、乗り越えてこそストレス耐性がついてくるものです。