ひとくち健康講座

白衣高血圧

1998年11月

白衣高血圧とは、正常の血圧の人が診察室で血圧を測定したときだけ高血圧になる場合をさし、最近では「診察室のみの高血圧」と呼ばれています。家庭用デジタル血圧計が普及している今、自宅で血圧を測定すると低いのに、検診や医療機関では高くなってしまうという経験をされた方も多いと思います。外来高血圧全体の15〜30&#13099;に、程度の差はあれ白衣高血圧が見られると報告されています。そして、このような白衣高血圧や血圧の日内変動などの問題が高血圧の診断を難しくさせています。近年、外来においても24時間血圧測定が可能になりましたが、まだ普及はしておりません。<br> 最近の家庭用血圧計は、大変精度が高くなってきていますので、正しい血圧を把握するため、医療機関での血圧測定と併用して十分に活用していただきたいと思います。<br> ただし、指や手首での測定器は、上腕で測る血圧計とは測定値が隔たることが多いようですので注意が必要です。

目黒クリニック 循環器科・内科   目黒 光彦