ひとくち健康講座

スノーボードにご用心

1997年5月

冬も過ぎて、シーズンもほとんど終わりになりましたが、ここ数年、ゲレンデで異変が起きていることをご存じでしょうか。今シーズンゲレンデに足を運んだ人なら、スノーボードを楽しむ人たちがどれだけ多いかお分かりでしょう。<br> スノーボードは、そのスタイルから生まれるスピード感、躍動感が魅力で、特に若者に広く受け入れられています。しかし、その一方で、けがの発生率が高く、また、死亡例も少なくないことはあまり知られていません。スノーボードは、1枚の板に両足を固定し、ストックの類いを持たないため、上半身、特にひじ、手首のけがが多いのが特徴です。また、頭部のけがが多いことも無視できません。スキーと比べた場合、けがの発生率で3倍、骨折の比率が3倍と、単純計算ではスキーの9倍も骨折しやすいとの報告もあります。<br> 長野オリンピックの公式種目になったこともあり、今後さらに人口増加が予想されるスノーボードですが、若者をひきつける魅力の裏側には、落とし穴もあることにご注意ください。

吉岡病院  佐々木 幹