ひとくち健康講座

女性ホルモン補充療法
1997年4月
一般に、女性の閉経が起こる40代半ばから50代半ばまでの約10年間を、「更年期」と呼んでいます。この時期には、急激に女性ホルモンの分泌が少なくなるものですから、さまざまな体の変調が起きてきます。その度合いがある程度強いときに、これを「更年期障害」といい、その時に女性ホルモンを投与することによって、その障害を改善させる療法を、ホルモン補充療法といいます。<br> 補充の方法は、卵胞ホルモンだけでなく、黄体ホルモンも同時に内服することが重要で、これによって子宮内膜がんの発生を予防します。そしてこの間は、年に1回は、子宮頚部と内膜の細胞診を受けると同時に、肝機能の血液検査を受けることが大事です。<br> このような療法を行うことは、更年期障害だけでなく、老化防止や心血管系疾患の予防、骨粗しょう症と骨折の予防などに効果があります。さらに、アルツハイマー型痴ほうの初期にも有効とされ、ホルモン補充療法の本来の役目を果たすこととなるでしょう。