ひとくち健康講座

下肢静脈瘤について
1997年2月
脚の静脈がミミズ腫れ状に浮き出たり、皮膚の青筋が目立つ醜形を作り、特に女性を悩ませることが多い疾患、下肢静脈瘤についてお話します。静脈が浮き出るのは、逆流防止弁が傷害されて血液が逆流するためです。(2次性静脈)形の問題だけなら我慢できるかもしれませんが、放置により、うっ血による諸症状(脚の重苦感、痛み、けいれん、皮膚潰瘍、色素沈着)を生じることがあります。治療法として「静脈抜去術」が一般的でしたが、入院を要すること、術後の疼痛、しびれ感などの合併症のため敬遠されることが多かったようです。血管の傷害程度にもよりますが、現在は「弾性ストッキング」「弁傷害部のみの処理」「薬剤注射による静脈瘤硬化療法」など、治療法の選択肢が広がっており、いずれも外来で治療可能です。<br> 皮膚のクモの巣状の青筋は、女性ホルモンの関与が疑われています。ホルモン治療が行われたこともありますが、副作用の懸念から、「硬化療法」を根気よく繰り返す治療が選ばれています。