ひとくち健康講座

膝関節の「水」

1997年1月

関節は、骨と骨のすき間で、表面が軟骨で覆われ、じん帯などで支えられています。中には、少量の関節液(いわゆる「水」)という潤滑油があり、スムーズに動く構造になっています。<br> 脚立の昇降や重労働の後など、正座ができない、膝が苦しいという症状の患者さんに、関節に「水」がたまっている場合があります。また、立ち座りや歩行で膝の内側が痛むような患者さんは、レントゲン写真で見ると、膝の内側のすき間が狭く、骨のトゲ(骨棘→こっきょく)が見られ、O脚になる変形性膝関節症の場合が多いようです。そのほか、膝を打ったりひねったりした際、膝内部の組織が傷ついて出血したときや、慢性関節リウマチ、痛風などの炎症性疾患、あれに、細菌による化のう性関節炎などでも関節液がたまります。<br> そのような場合は、関節液を調べたり、レントゲン検査や血液検査などを行ったりして、関節液のたまった原因を突き止めて、治療が進められます。

塩野医院  塩野 眞弓