ひとくち健康講座

カフェインの話

2025年8月

 カフェインは、お茶やコーヒーなどに含まれる日常に浸透した物質ですが、アルコールやタバコと比べると批判の声は少ない印象があります。少量の摂取(30ミリグラム程度、コーヒーカップ1杯が50ミリグラム)でも覚醒効果や注意力の向上が得られ、仕事や勉強の味方として活用されることも多いでしょう。
 しかし、連続的な摂取では耐性も生じやすく、一日あたり100ミリグラム以上のカフェインを摂取する習慣がある方(コーヒーなら2杯以上)では、少量では効果を感じにくくなることがあります。同じ効果を得るために摂取量が増えていくと、不安感や神経過敏、胃の不快感などの不調や、程度が強いと不眠・震え・頻脈といった症状が現れることもあります。
 最近ではエナジードリンクなどにも含まれており、多量の摂取になっていないか注意が必要です。日本茶、食後や仕事前のコーヒーなど、カフェインは古来から生活に結び付いている「毒にも薬にもなる」存在ですが、量やタイミングを見直し、上手につき合っていくことが大切です。

芳賀心療内科クリニック  櫻井 耕