ひとくち健康講座

意外と多い子どもの胸の痛みの話
2025年4月
子どもの健康上の問題で意外と知られていないのが胸の痛みです。思春期の子どもの15~30%が胸の痛みを訴えるといわれており、決して珍しくありません。
胸痛の原因はさまざまです。心臓の病気が原因となるのは1~2%程度ですが、肥大型心筋症や重い不整脈、冠動脈疾患など命に関わる疾患が隠れていることもあります。そのため、早期の受診と検査が重要です。運動中に胸が痛む、痛みで目が覚める、深呼吸しても痛みが強くならない、胸が圧迫されるような痛みを感じる、胸がドクドクする感じがあるなどの症状があれば、心臓に関わる胸痛の可能性があります。その場合は早めの受診をおすすめします。
一方、胸痛の98~99%は筋肉や骨、神経、または精神的なストレスなどが原因で、検査をしても特別な異常が見つからないことが多いです。多くは時間の経過とともに自然に改善します。検査で「心臓に問題はない」と確認できることで、安心感を得られ、症状が軽減することもあります。
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- 2025.4