ひとくち健康講座

肘内障の話

2023年7月

 肘内障は、小さなお子さんが手を引っ張られたり、ひねったりした際に起こります。肘の橈骨頭という部分が亜脱臼した状態と考えられており、2〜6歳のお子さんに多く起こります。肘に腫れはありませんが、腕を動かそうとすると痛みがあるため、腕をだらんと下ろしたまま曲げようとせず、触ろうとすると嫌がります。発症した時の状況などから肘内障を疑いますが、腫れや皮下出血があり、骨折を否定できない場合にはレントゲンを撮影する場合もあります。骨折でなければ、整復操作を行い、多くのお子さんは整復の直後または数分後には腕を使い始めます。整復後は特に治療の必要はなく、帰宅して様子を見ていただいて問題ありませんが、痛がる様子がある時やあまり腕を使おうとしない時などは再度受診するようお話ししています。再発することも少なくないですが、小学校に入る頃には自然に再発しなくなります。お子さんが小さい間は手を強く引っ張ることがないようご注意ください。また、小さなお子さんの場合、どこが痛いのかはっきりしないことも多いため、いつもと違う様子があれば、早めの受診相談をお願いします。

吉岡病院  鈴木 幸大