ひとくち健康講座
大人の発達障害
2023年2月
最近「大人の発達障害」という言葉をよく耳にします。発達障害とは生まれつきの脳の特性によるもので、自閉スペクトラム症(ASD)と注意欠如多動症(ADHD)が大半を占めます。
ASDは、意思疎通や共感がうまくできず、特定の物事に固執する特性があります。感覚過敏または鈍感といった特徴を持つこともあります。ADHDは、不注意と多動衝動性という特性があり、いつも遅刻、いつも忘れ物をする、見通しができない、無駄遣い、短気などが見られます。その結果、周囲との摩擦を生みます。
発達障害は生まれつきのもので、それらの特性の程度には濃淡(個人差)があります。保護的環境にある小児期は顕在化せず、生きづらい大人社会になってからその特性が浮上し、積み重なるストレスを誘発、うつ症状などにつながり職を失うことも少なくありません。職場での対応により失職を予防できるかもしれません。心当たりのあるご本人や職場の人事担当の方は、一度専門家に相談されるとよいでしょう。