ひとくち健康講座

不妊症のお話

2022年5月

 不妊症とは、妊娠可能な年齢の男女が、1年間避妊せずに通常の性交を継続的に行っているにも関らず、妊娠しない場合とされています。ただし、高齢や筋腫などがある場合は、その期間は問いません。子どものいないカップルは約30%で、不妊治療を受けたカップルは約5.5組に1組という報告もあり、近年の晩婚化も不妊症の原因の一つとされています。
 不妊症の治療には、性交のタイミングの指導や精子を子宮に注入する人工授精などの一般不妊治療と、針などを使って卵子を採取し体外で受精させ、受精卵を子宮に移植する生殖補助医療(ART)があります。
 これまでの不妊治療は、私費治療が多くを占めていましたが、ことしの4月よりほぼ全ての不妊治療が保険適用になりました。患者さんは3割負担で治療ができるようになり、一部行政からの助成制度もあります。
 まずは、産婦人科で相談していただき、検査や治療を選択していただくことをお勧めします。

さとうウィメンズクリニック  松尾 幸城