ひとくち健康講座
風邪と抗生剤の話
2021年10月
風邪の原因はウイルスがほとんどです。抗生剤は細菌をやっつけるお薬なので、ウイルスが原因の風邪には効きません。
「もし細菌が原因だったら」「後で細菌感染になったら」と、抗生剤を希望される方もいると思います。しかし、最近では、風邪に対して抗生剤を予防的に使用した場合、4000人に1人効果がある程度という統計が出ています。抗生剤には下痢や皮膚症状などの副作用があり、風邪の方に抗生剤を投与すると、13人に1人は副作用が出るという統計もあります。また、抗生剤を乱用すると、抗生剤に勝ってしまう菌が生まれ、本当に抗生剤が必要な状態で効かなくなるという問題もあります。従って、抗生剤の安易な使用は避けなければなりません。
風邪の代表的な症状として、鼻水、のどの痛み、咳の3つがそろうことが挙げられます。医師の診察でも抗生剤が必要な病気を疑うところがなければ、最初から抗生剤を使う必要はありません。ただし、症状が長く持続・変化する場合は再受診が必要です。