ひとくち健康講座

変形性膝関節症の話

2020年2月

 中高年になると関節、特に膝の痛みを訴える方が出てきますが、その原因として多いのが変形性膝関節症です。膝の内側や裏(膝窩部)が痛い、歩行時や階段を昇り降りするときに痛い、夜間に痛い、膝が腫れてきた、正座ができなくなった、O脚になってきた、などの症状を訴えて来院される方が多いです。診察をしていて変形性膝関節症の患者の方を診ない日は少ないです。変形性膝関節症は、時間をかけて徐々に痛くなってくる方、急に痛み出す方、軽微な外傷を契機に痛みが続く方など、痛みの現れ方もさまざまです。レントゲンを撮ると、すり減った関節軟骨の隙間が狭くなっている、関節の骨が変形しているなどの所見がよく見られます。
 治療としては薬物療法やリハビリ、ダイエットや装具療法、関節内注射などがよく行われます。膝に水がたまり(関節水腫)、痛むときは水を抜くこともあります。また、症状が進行した場合には人工膝関節置換術や骨切り術といった手術で治療を行うこともあります。

高橋整形外科  高橋 孝典