ひとくち健康講座
自律神経の話
2019年2月
子どもの頃からあがり症の私は、雑誌に掲載されている自律神経訓練法などに興味を引かれました。
自律神経を英語にすると、「自動で調節してくれる」神経系を意味し、「自分で調節できる」神経系のことではありません。自律神経系は自動で作動するので、意識せずとも心臓は動き続け、呼吸も止まりません。思い通りにはなりませんが、生存に不可欠なものです。
人類がまだ狩猟生活をしていた頃、猛獣と戦ったり、逃げたりするには、末梢血管を収縮させてけがの際にあまり出血をしないようにしたり、血圧を上げて脳や心臓の血流を増やしたり、瞳孔を開いて視認性を高めたりしてくれる交感神経系(闘争と逃走の神経)が発達しました。逆に疲労回復のために副交感神経系(休息の神経)も発達しました。
さて、現代文明社会では猛獣との闘争などはありませんが、くすぶっている自律神経は進化あるいは退化していくのでしょうか。