ひとくち健康講座

腰痛予防体操の話

2018年8月

 腰痛は日本人の国民病といわれるほど多く見られる症状です。腰痛の原因の一つとして、太ももの裏側の筋肉(ハムストリングと呼ばれています)が硬くなっていることが挙げられます。ハムストリングが硬いと骨盤の動きが制限されて腰に負担がかかるためです。
 ハムストリングを柔軟にするための運動法として、徳島大学整形外科教授の西良浩一先生が提唱しているストレッチ体操をご紹介します。
 (1)しゃがんだ姿勢で両足首を両手でそれぞれ握ります。(2)足首を握ったまま膝をゆっくりと伸ばして立ち上がります。このとき胸が大腿前面にくっついたままの状態を保つことが大切です。(3)限界まで膝を伸ばしたら10秒間この姿勢を保ちます。この運動を朝と夜に5回ずつ行います。腰を折り曲げた姿勢が折り畳みナイフ(ジャックナイフ)に似ていることからジャックナイフストレッチと呼ばれています。スポーツ活動に熱心な中学生や高校生に対する腰痛予防体操として特にお勧めです。

吉岡病院  井上 林