ひとくち健康講座

緑内障と目薬の進歩

2017年1月

 緑内障とは、目から入ってきた光情報を脳に伝達する神経(網膜神経節細胞)に障害が起こり、見える範囲(視野)が狭くなる病気です。緑内障の治療には、目薬の薬物療法と、手術療法の二つがあります。20年前は緑内障に有効な目薬が少なく、緑内障になったら手術が必要になる場合が多くありました。
現在、緑内障に使える目薬は30種類以上に増え、数種類の目薬を組み合わせて病気の進行を抑えます。最近では、配合薬と呼ばれる1本で2本分の効果のある目薬まで登場しました。目薬の進歩によって、緑内障の治療は大きく変わり、手術を受けずに目薬だけで一生過ごせる患者さんが増えてきました。
目薬による治療に幅が広がった今だからこそ、病気を早く見つけて治療を受けることが大切となります。40歳以上の緑内障有病率は5?(20人に1人)ですので、定期的に眼科の健康診断を受けましょう。

菅野馨眼科  菅野 彰