ひとくち健康講座
キラー・ストレスの話
2016年10月
ストレスは、解消される前に次のストレスが漫然と続いて、一定レベルを超えると生命を脅かすようになります。これがキラー・ストレスです。無害な細菌が血管内皮で繁殖し、脳血管障害や心筋梗塞を起こし、悪性腫瘍をやっつけてくれていた免疫にオフのスイッチを入れて発がんする、などの影響が出ます。
ストレスは検査では分かりにくく、本人でさえ「好きなストレス」や「ストレスに対する弱さを認めたくない」ために見逃されがちです。我々も、血圧や血糖、コレステロールで動脈硬化の予防には当たりますが、ストレス対策がないと予防のバランスを欠くかもしれません。検診で異常がなく、健康そうで元気に働いていた方が、なぜこんなに早逝なのだろうと考えることがあります。言うまでもなくストレスは万病の元ですが、一方、ストレスがなさ過ぎると認知症になりやすいとも言われています。
検査でも、本人も分かりにくいストレス。周りでお互いに見守ってあげたいものです。