ひとくち健康講座
肩の痛みについて
2010年7月
肩は、上げ下げ、回すなど、動く範囲が広く自在ですが、一方では、それが痛みや病気の原因になっています。脱臼や投球肩、肩の腱の損傷などです。中高年に起こる関節に変形がないのに関節痛を起こす五十肩も他の関節では見られません。肩を動かすのは、肩甲骨を動かす筋と、その肩甲骨についている4個の筋の腱(腱板<けんばん>という)です。腱板は上腕の骨の頭を包み込むように付いています。
五十肩は、肩の挙上に一番大切な腱板の老化に伴う変化やその腱板の上にある肩峰下滑液包<けんぽうかかつえきほう>という袋の炎症などが考えられています。腱板は、その袋のさらに上にある肩峰という骨に挟まれている構造になっているため、腕を上げる仕事や加齢により切れやすく、高齢者の半数以上に腱板損傷があるといわれています。特に夜の寝返りで痛い、せん定や洗濯物干し、高い所へ物を上げるのに痛く力が入らないなどの症状があるときは、かかりつけの医師での診察が必要でしょう。