ひとくち健康講座

腰部脊柱管狭窄症の話

2008年7月

 <腰痛・下肢の痛みにご注意>
 腰部脊柱管狭窄症という言葉をご存じでしょうか。腰の神経の通り道(脊柱管)がさまざまな原因で狭くなり(狭窄)、その結果として腰痛、下肢の痛み、しびれを呈する疾患群の総称です。
 主な原因は、椎間板、黄色靭帯、腰椎の加齢変化により各組織が肥厚し、神経を圧迫することです。歩くと両下肢が痛くなったり、しびれたりして歩けなくなるのが特徴的な症状で、腰を曲げたり、いすに座って休んだりすると間もなく症状が改善します。症状が強くなると立っているのも困難になります。また、頻尿、残尿感など排尿障害が出ることもあります。
 治療としては、消炎鎮痛剤や神経の血液循環を改善する薬の内服、または仙骨硬膜外ブロック注射などのブロック療法があります。症状が強いと手術になる場合もあります。内服薬などで症状が改善することもありますので、心当たりのある方は整形外科の受診をお勧めします。

吉岡病院  古川孝志