ひとくち健康講座

ピースの香りが懐かしい

1998年8月

「なぜタバコを吸うのですか?」と聞くと、「ストレスがたまるから」「太るのでやせたいから」などと返ってきます。正解ですが、総合的には体に有害です。「タバコは体に有害ですが、具体的に知ってますか?」と聞くと、「肺に悪い」「肺がんになる」と答えが返ってきます。間違いではありませんが、本当の怖さは動脈硬化です。<br> 動脈硬化とは、動脈の内壁が持続的に傷害され内壁が厚くなり、内腔が狭くなった状態を意味します。その結果、狭心症、心筋梗塞そして脳梗塞などの重篤な病気を引き起こします。動脈硬化の原因としては、運動不足、肥満などもありますが、高脂血症、高血圧症、糖尿病、ストレス、そして喫煙が何といっても最重要です。<br> このように話す私も、以前は愛煙家でしたが、吸い始めのころは興味本位で、有害の意識もありませんでした。厚生省、学校教育そして家庭で、積極的に禁煙教育に取り組んでほしいと思います。灰皿があっても、子供や妊婦の前では吸わない大人になりたいものです。

神村内科医院  神村 匡