ひとくち健康講座

白内障の話

2007年1月

 白内障とは眼の中の水晶体(カメラのレンズに相当する部分)が混濁する病気です。白内障になると視力が低下し、物がかすむ、明るい所だと眩しく見えにくい、などの症状がでてきます。原因は加齢によるものが最も多く、糖尿病やアトピーなど全身の病気に併発する場合やステロイドなどの薬物、有害光線の暴露などが原因となることもあります。濁りの進行には個人差がありますが進行するとすりガラスを通して見ているのと同じ状態で眼鏡を替えても改善しません。軽度で視力に影響のない場合は点眼薬で進行予防を行いますが、進行を完全に阻止するのは不可能です。残念ながら、一度濁った水晶体を透明な状態に戻す薬は無く、有効な治療は手術しかありません。現在は手術技術と眼内レンズの進歩で術後早期に視力の改善が得られるようになりました。50〜60歳代になったら専門医での診察を受け、ご自分の目の状態をよく理解しておくことが予防への第一歩となります。

高橋眼科クリニック  高橋 和晃